ARABIA(アラビア)とは — 1873年から続くフィンランドの窯と、裏印の見方
ARABIA(アラビア)は1873年、フィンランドのヘルシンキで生まれた陶磁器メーカーです。もとはスウェーデンの窯Rörstrand(ロールストランド)がフィンランド市場向けにつくった工場でしたが、やがて独立し、20世紀にはヨーロッパ有数の規模へ成長しました。
工場のあった地区の名前がそのままブランド名になっています。ヘルシンキ中心部から少し北に行った「Arabia」という地名です。
なぜヴィンテージが人気なのか
ARABIAが特別なのは、工場にアーティストのためのアトリエを持っていたことです。カイ・フランク、ビルガー・カイピアイネン、ウラ・プロコペといった作家が在籍し、量産品でありながらデザインに妥協がない器を出し続けました。
1970年代までの製品には、いまの量産食器にはない絵付けの厚みや、手仕事の跡が残っています。同じシリーズでも一枚ずつ表情が違うのは、そのためです。
裏印(バックスタンプ)を見る
器の裏には、製造時期を示すマークが押されています。当店では商品ページに必ずこの写真を載せています。
大まかには、こういう見方ができます。
- 王冠のマーク — 20世紀半ばのARABIAを代表する印です。「ARABIA」の文字とともに王冠が入ります
- 「FINLAND」「SUOMI FINLANDIA」の表記 — 輸出向けかどうか、時期によって表記が変わります
- 手描きの記号や数字 — 絵付け職人や工程を示すもの。手仕事の時代の名残です
マークのデザインは何度も変わっているため、細かい年代の特定には専門の資料が必要です。当店では分かる範囲で「1960〜70年代のスタンプ」といった形で商品ページに記載しています。断定できない場合は、そう書くようにしています。
いま手に入るもの
ARABIAは2000年代以降、生産の多くをフィンランド国外へ移し、2016年にはヘルシンキの工場での製造を終えました。フィンランド製のARABIAは、もう新しくはつくられていません。
当店で扱っているのは、現地で一点ずつ買い付けたヴィンテージです。同じシリーズでも状態も色味も違うので、気になるものがあればお早めにご覧ください。

